“老年を超える”境涯をえる作戦      

◆これからの人生への思い“老年を超える”境涯をえる作戦
            
 インドの理念的な人生区分は四つに分けられている。学生期(がくしょうき)で学び、家住期(かじゅうき)で働き、家庭をつくり、子供を育てる。そして人生のクライマックス、林住期(りんじゅうき、林棲期とも記される)、遊行期(ゆぎょうき)を迎える。 
 私はいま林住期。幸せは独りできるものでは無く、多くのご縁のある方々との出会いそして対話から実感できていく。そういう『場』創りに貢献していくことで、人に愛され、誉められ、役にたつ、そして必要とされる、生涯現役人生を歩みたい。これが“老年を超える”境涯をえて、人格を高めて行くことだと思い計画・実行する。



◆新しいことを創(はじ)める ことを忘れない

 家住期では妻子を養うことや家の購入、家庭を守ることを優先し、自分のやりたいことを中心に働くということは後回しにしてきた。会社への貢献を度外視した“好きなコト”中心の活動を行っていくのは望むべくもないことだった。しかし悔いが残っている訳ではない。それは何で成果を残すかを考え、常に新しいコトや新しい事業に挑戦をしてきたからである。思いかえせば家住期は自分を磨く修行として会社組織のなかで揉まれ業績貢献を考えてきた。惜しむらくは遊行期にもっと安心して暮らしていける財産形成が出来なかったこと。やむなく林住期の大半をいまだ稼ぐことに軸足をおいて日々を暮らしている。おかれた環境におおきく逆らわず何とか、新しい働き方や暮らし方に向かっていきたいと思っている。
 『新しいことを創(はじ)める ことを忘れない限り、人はいつまでも若く生きることができる』と現在105歳の日野原重明聖路加国際病院名誉院長・同理事長)さんが語っていました。長寿の方の多くが多幸感を感じる“老年的超越”と呼ばれる豊かな精神世界に、私も辿り着きたい。



◆幸せの物指は自分がつくる

 まず“吾唯足知”(われ、ただたるをしる)の境涯へ行く。そのために “断・捨・離”をおこなっている最中。なかなか難しいが元気なうちに完成したい。多くの財産を持ちながらまだまだ欲しい欲しいと満足できない人のことを“餓鬼”ということらしい。林住期後半からは新しく出家的な人生感で完全な“吾唯足知”の境涯をもてるようにしたい。幸せの物指は、自分がつくり決めるというコトだと理解して、何かと“高まる気持ち”を落ちつかせてきた。人と比較することは止め、自分自身の幸せの物指で遊行期をむかえたい。



◆来し方行く末を思う

 そろそろ“品格ある老い”を考えなければと思っている。色々なことが話せる対話の場を設けたい。若い人たちや子育て終了前後の世代へ考える視野をひろげる対話はリードできそうだ。何のために働くのか、より良く生きるとは。本来、成すべきことは何か。そもそも自分は、生きて何を成し遂げようと心に願っているのだろうか。これからも生き続ける存在理由を考え、今後の活動コンセプトを整理した。



◆知的創造生活をデザインすることから始めたい
 これからは、ちょっとだけ好きなコト(私の “晴耕雨読”感につうじる)“知的創造生活をデザインする”を念頭に活動していく。この活動を基軸にして“ほどほどに希望して、老いを楽しむ”林住期後半から遊行期を迎えたいと思っている。そして、そのためにも知的創造生活をデザインする活動として、独りよりも仲間との活動の継続で楽しい真善美(まこと)を極めるコトの『場』創りを企画、実行していく。



◆他者(ひと)が喜ぶことをしていく

・知的創造生活をデザインする(組織)の目的は、“真善美(まこと)の探求で、他者(ひと)が幸せな人生をおくることに貢献する”こと。
・当面のゴールは親切で安心できる対話の場を創り、ご縁ある方々との出会いと対話をデザインしていく。
・直近の目標は3ヵ月に1回程度ペースで”美しいモノを訪ねて歩き・描く会”、“読書と対話の会(哲学カフェ)”などの企画を実施する。
・目指す社会像は老いも若きも対話、交歓できる社会。
・果たすべき使命は“親切な人間らしい交歓の場の提供”。
・提供価値は“魅力ある企画と実施”。



◆真善美で考える『場』のデザインから超し方を思う

 真善美を今後の活動指針のフレームワークとして考えてみた。「真」の反対は偽り、「善」の反対は悪、「美」の反対は醜。


「真」は真心サービス。親切なサービスで安心できる対話の場を創る。   
「善」は善き行い。「真」を行い、世のため他者(ひと)のためとなる。
「美」は「善」を行うために集う仲間は尊く、美しい。

 
 真善美とは、人間の理想としての普遍妥当な価値。学問、道徳、芸術の追求目標。3つの大きな価値概念。真善美の生き方を貫いていく。清く正しく美しく、生きていく。そして若々しく、日々感謝する生活をしていく。これが私の“老年を超える”境涯をえる作戦です。