本格的な『暗闇ワインバー』に参加して感じたコト。

多様性社会(ダイバーシティ)におけるミュニケーションの在り方を考える(エンタメ性も高い)時間だったと思いました。

ちょっと怪しい響きのある「暗闇ワインバー」プロジェクトでしたが参加してとても良かったです。私達の「ソーシャルアートビュー」活動のコアメンバー谷口響子さんからの招待でした。日本ソムリエ協会認定ソムリエの斉藤紘一さん、目の使えない方が3名、目が使える方が11名、スタッフの皆さんが2名。合計18名と盲導犬2頭の参加メンバーだったと思います。

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 4つのワイングラスの飲みくらべと食事を味わいながら会話を楽しむという趣向でした。目が使える参加者もお店の前でアイマスクを渡されて店内に案内される。約2時間暗闇の中でワインと食事を楽しんだ。美味しいワインと食事そして楽しい会話で、あっという間の2時間でしたが酔いが回るのは目を閉じているせいなのかとても早い感じがしました。

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 ソムリエへのトレーニングの基礎として、まずレモンの皮と果汁を嗅ぎ分けるというのを最初におこなった。果汁より皮の方がレモンの香りがすることを初めて知りました。毎朝の通勤途中でも街でどんな匂いや香りがするかを何時も感じて出社すると言われていた。つよく意識していくことで嗅覚も味覚も鍛えられていくということでした。(栄養士、調理師のトレーニングにも応用できる)。

 「ソーシャルアートビュー」との役割比較で言うとプロデューサー兼ファシリテーターが谷口さん、ナビゲータがソムリエの斎藤さん、という配役でしょうか。会話から対話へと進行していく際のキッカケにワインティスティングがあるんだなぁ~と思いました。

 聴く(信頼構築)段階では見えないなかでの握手そして簡単自己紹介そして一対一の会話…。ワイン2杯目あたりからの会話はじょじょに訊く(相互理解)段階となりテーブルでグループになった4名が相互に自己紹介と意見交換、食事もメインディシュの頃となると積極的に想いを伝える(行動促進)段階になっていった。職業の話や趣味の話そして何故、いつ頃から目が使えなくなったのか等々の話から、私も「ソーシャルアートビュー」活動へのお誘いの話も出来た。各テーブル毎の話の流れにまではソムリエもプロデューサーも突っ込んではこないので対話の時間のデザインにはもう一工夫いるのかなとも感じた。
 

 全体には日ごろの関係性がまったく無いメンバーがあつまっての飲み会の白けた雰囲気は微塵も感じられなかったのですが、段階的にコミュニケーションの質を変えていくへの“場”のデザインやファシリテーターの関与が不可欠だと思いました。

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 会場全体の中で語られたワインや食事を話題にして、目の使えないかたへ
の興味や配慮など“暗闇“のなかでコソ感じた“平等”な対話の感覚が、この “暗闇ワインバー”の醍醐味だなと思いました。谷口さん、スタッフの皆さん、参加者の皆さん楽しく実りある会話と対話の時間を有難うございました。

「ソーシャルアートビュー」とは
170930(土)。場所は和食ダイニング“SORA自由が丘”。