柔道選手の消費エネルギーと 摂取エネルギーについて

消費エネルギーの多い種目から並べると・・・

サッカー > 柔道 > 野球となります。
アスリートの消費エネルギーはポジションや体重、年齢などによって消費エネルギーはおおいに変わって着ます。サッカーの場合ミッドフィルダー>フォワード>ディフェンダーゴールキーパーの順で消費エネルギー量は少なっていきます。サッカーの基本動作はジョギングのようなゆっくり走る有酸素運動と全力で走る無酸素運動の繰り返しになるので体脂肪を燃焼するうえで最も効率的なスポーツと言えます。野球の場合は投手>野手の順が考えられ、競技中にベンチに座る時間もあり、基本動作の投げる、打つ、走るは全て無酸素運動。体脂肪を燃焼しにくい。3つの種目の中では野球が一番、消費エネルギー量が少ないスポーツといえます。そして柔道ですがちょうどサッカーの次くらいの消費エネルギーではないかと予測されます。瞬発力を養う必要性の高い柔道選手ならでは献立開発が必要です。

アスリートの消費カロリーを考える際、種目やポジション、そしてオフ期、トレーニング期、試合期に大別して試合期は特に試合前、試合当日、試合後と分けて献立を工夫していきたモノです。なかでも試合当日は朝、試合直前、試合中、試合直後、夜ときめ細やかな対応が必要です。

柔道選手は一般学生よりおにぎり8.5~10個分/日の摂取カロリー増が必要です。

●学生の身長、平均体重一覧表(男性、女性、年齢別)
年齢    男性         女性
↓     平均身長 平均体重    平均身長  平均体重
18歳  171.03cm 62.69kg  157.94cm 51.70kg
19歳  172.14cm 63.83kg  158.41cm 51.19kg
20~24歳  171.82cm 65.84kg  158.84cm 50.81kg
文部科学省及び文化庁が公表した調査資料を元に作成。「平均身長と平均体重」は2010年度(平成22年度)の「体力・運動能力調査」資料(2011年10月11日公表)詳細は文部科科学省 統計情報、政府統計の総合窓口、および体力・運動能力調査。

基礎代謝量(㎉/日)
上記から、学生の標準平均体重を男性63.2kg、女性を50.0kgとした場合、男性は1,520㎉、女性は1110㎉になります。

●推定エネルギー必要量
厚生労働省「日本人の食事摂取基準2015年版」によると推定エネルギー必要量=基礎代謝量(㎉/日)×身体活動レベルとして算出されます。
したがって学生柔道選手の高い身体活動レベルの数値2.53をとると推定エネルギー必要量=1,520㎉×2.53=3845.6㎉になります。
また一般の男子学生の推定エネルギー必要量は1.50レベルですので推定エネルギー必要量=1,520㎉×1.50=2280.0㎉になります。
その差1565.6㎉を埋めるには、おにぎりの推定消費カロリーを160㎉とすると柔道選手は一般学生よりおにぎり8.5~10個分/日の摂取カロリー増が必要です。

●種目別の推定エネルギー必要量
仮にサッカーを持久力重視競技、柔道を瞬発力重視競技、野球を球技一般競技とした場合、日本体育協会の小清水氏の研究「アスリートの栄養摂取と食生活」によると種目系分類身体活動レベルは


種目    オフ期   トレーニング期
サッカー  1.75  2.50
柔道    1.75  2.00
野球    1.50  1.75 
となります。したがって学生柔道選手のトレーニング期の推定エネルギー必要量=1,520㎉×2.00=3040.0㎉。オフ期の推定エネルギー必要量=1,520㎉×2.00=2660.0㎉と想定することもできます。

選手の栄養バランスを考え、瞬発力が出て、エネルギー摂取のしやすい献立が必要です

●アスリートは多くのエネルギーを必要としています。
当然食べる量も多くなります。ビタミン、ミネラルも多く必要になります。野菜350g/日、果物200g/日なども意識していかなければなりません。クラブ担当代表者とアスリートフードマイスター、栄養士がアセスメント(種目、ポジション、時期別、選手別事情などインタビュー)し、フードプランニング(仮説)を行い、食事提供します。効果を検証して次期の改善計画につなげていくことが重要です。
です。

Jrアスリートフードマイスター 2016年04月18日 記述